毎日暑い日が続いています
「うちの地域は風があるから大丈夫。」
「山沿いだし、そんなに熱くは感じない」
そんな風に思っていませんか?
今年の夏は、日本全国が同じレベルで”熱中症の危険ゾーン”に入っています。
6月の中旬頃から少しづつ熱中症警戒アラートが発令されていましたが、7月に入ってからは、北は東北から南は九州まで、各地で「熱中症警戒アラート」が続々と発表されています。
これは、”ただの暑さ”ではなく命に関わる暑さが来ているということです。
この状況で一番怖いのが、「まだ自分は大丈夫」と思ってしまう油断です。
今回は、どこに住んでいても共通で知っておきたい、熱中症のサイン・予防策・対処法をまとめてみました。
熱中症ってどうなる?:身体が冷却できなくなる状態

暑さで体温が上がると、私たちの身体は汗をかいて体温を下げようとします。
でも、温度が高かったり水分が足りていなかったりすると、身体の冷却装置がうまく働かなくなります。
その結果、身体に熱がこもって、頭がぼんやりしたり、めまいでふらつき始めたりしたら、「熱中症」のサインです。
熱中症の初期症状
- 立ち眩み、めまい、生あくび
- 身体がだるい、頭が痛い
- 筋肉がピクピクする(こむら返り)
- 汗が止まった、または汗が異常に出ている
「なんとなく調子が悪いな」と思った時は、すでに熱中症が始まっていることもあります。
全国どこでも役に立つ!5つの熱中症対策

「水だけじゃ足りない」と知ること
熱中症予防には水分だけではなく、塩分の補給も必要です。汗をかいたら、スポーツドリンクや塩タブレット等でミネラルも補給しましょう。
脱水状態に近いときに最も効果を発揮する飲み物は”経口補水液”です。
水やスポーツドリンクよりも、水分と電解質(ナトリウム、カリウム)を効率よく身体に吸収させるように作られています。
- 汗を大量にかいたあとの補給
- 軽い熱中症の初期症状(頭が重い、気持ちが悪い)
- 吐き気や下痢で脱水症状の恐れがあるとき
- 高齢者や小さな子供の体調不良の時に
経口補水液は薬局やドラッグストアでも購入可能ですが、自分で手作りもできますよ。
【簡単にできる手作り経口補水液】
- 水:1リットル
- 砂糖:大さじ4
- 塩:小さじ1
- レモン汁:少々
実際作ってみましたが、味が独特なので常温では飲まずに冷やして飲むのがオススメです。
室内でも油断しない
「家の中にいるから安全」と思いがちですが・・実際ニュースでも室内で熱中症の症状で倒れる方もいるという情報もありますよね。
- 風通しが悪い部屋では熱がこもりがち
- 高齢者は暑さやのどの渇きに気づきにくい
エアコンや扇風機、遮光カーテンをうまく使い、室温28℃以下をキープしましょう。

服装と持ち物で”暑さと戦う装備”を
夏の外出は、服装次第で身体へのダメージが大きく変わります。
- 通気性の良い服(綿や麻が◎)
- 首元には冷感タオルやクールネックリングを使用
- 帽子はツバがついた広いものがおすすめ
- ハンディファンで顔周りを冷却
特に屋外作業や農作業をしている方は、日陰の休憩所を設けることも忘れずに!!
毎日15分だけ”汗をかく習慣”を
実は、暑さに強くなるにはコツがあります。それが、「暑熱順化(しょねつじゅんか)」という習慣。
簡単に言えば、「暑くなる前から、ちょっとずつ汗をかく習慣をつけておく」ことをいいます。
汗腺(かんせん)がちゃんと働くようになれば、体温を下げる力が高まって、同じ暑さでも夏バテしにくい身体になります。
エアコンに慣れすぎて身体が”汗をかく力”がうまく使えなくなっていることがあります。炎天下に出ると、汗が出にくく体温がこもり、熱中症になりやすくなるからです。
【オススメの暑熱順化習慣】
- 朝や夕方の涼しい時間に15分~30分の軽い散歩やラジオ体操
- 入浴はシャワーで済ませずにぬるめのお風呂へ
- 家事をやるときに、少しエアコンを控えてみる
※汗をかいた後は、必ず水分と塩分補給を忘れずに!!
数日続けるだけでも、身体が暑さに慣れてくると言われています。

周りの人にも目を向ける
熱中症は、自分自身だけではなく周りの誰かに突然起こることもあります。
特に気を付けてほしいのが、高齢者、小さな子供、屋外で働く人たち。
筆者は介護の仕事をしています。施設内はエアコンも管理されていますが、暑さやのどの渇きを自覚しにくいことが多いです。また体温調節機能も低下しています。
さらに、エアコンの設定や水分補給のタイミングは自分では調節しにくい状況にあるため、職員や家族の気づきが命を守るカギになります。
「のどは乾きませんか?」
「身体は暑くなないですか?」
「涼しいところに移動しませんか?」
こうした何気ない声掛けや体調チェックが、重症化を防ぐ大きな一歩になります。
もしも熱中症になってしまったら・・。
対応は早ければ早いほど効果があります。無理をして”様子を見る”のは絶対にNGです!!
応急処置の基本
- 涼しい場所に避難(エアコンの効いた室内が良い)
- 衣服を緩め、首・脇・足の付け根を冷やす
- 水分・塩分を少しずつ飲ませる(※意識がある場合のみ)
- 返事がおかしい、意識がもうろうとしている→すぐに救急車を呼ぶ!!
“大丈夫”は思い込みかもしれない
熱中症は、暑さに慣れていない人や、体調が少し悪いときでも簡単に起きるものです。
しかも、全国どこに住んでいても関係なく、起こるときは起きます。
「家は涼しいから平気」
「まだ若いから大丈夫」
その油断が、一番危険です。
最後に:今年の夏を元気に乗り切るために
2025年の夏、日本のどこにいても熱中症のリスクと隣り合わせです。
でも、しっかり備えていれば、熱中症は防ぐことができます。
- 水分と塩分はセットで
- 暑さになれる身体づくりを
- 日々のちょっとした声掛けや気遣いを忘れずに
この夏は、頑張りすぎず、我慢しすぎず、”暑さを味方にできる毎日”を心がけてみてください。
コメント